2015.11.26(木)

夢見る妄想陛下 饅頭屋5編 後

【二次創作SS】【パラレル&オリキャラ注意】【饅頭屋派生妄想】

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夢見る妄想陛下 饅頭屋5編   後



すぐさま……彼女に口付けた。



言い表せない様な幸福感が身体中に広がってゆく……。

何故こんなに胸が高鳴るのか自分でも分からない。



唇を優しく啄ばむと、夕鈴がまたびくりと震えた。

しかし、逃げ出しはしない……。

頬に添えていた片方の手を腰に回し自分に引き寄せる。

夕鈴は……それもなすがまま受け入れた。



そんな彼女に強く喜びを感じる自分がいる。
自分は……こんなにも感情的だったか……?


もう片方の手を頬から離して後頭部に添え、逃げ出せない様に身体を包み込んでから舌で彼女の唇を撫でた。
驚いたのか堅く閉ざしていた口が開く…。
瞬時に舌を夕鈴の口内に挿し入れた。

「んんッ!!」

夕鈴は突然の事で声をあげようとしたが、舌を絡め取られ、くぐもった声しか出せない……。
今迄味わった事のない感覚に戸惑うばかりだ。

思わず李翔の袖を握りしめ、縋り付いた。

「ぅ……ん…ふっ」

李翔はそんな彼女の反応にすら、ゾクゾクとした快感を覚えてしまう。


ああ……。
何て甘い……。



夢中で彼女を味わう。
どこもかも……甘い。

蕩けるような口付けに、溺れてしまいたくなる。



彼女はまだ仕事の途中なのに……。


このまま狼の巣穴に連れて行きたい気持ちになる。


まだ……あの臨時妃も居るのに……。


ああ、でも、もう、そんな事どうでも良いかな……。




今はこの甘さを……。




「ん……。」





「へい…か……。」








「へいか……陛下っ!!」

近くで叫ぶ声が頭に響き、ガバッと起き上がる。

ここは……執務室か……。

辺りを見回し、ため息をつきながら先程まで横になっていた長椅子に座り直した。

まだ……夢の中に浸っていたい……そんな考えを振り払う為、目の前にいる側近に気付かれないように現状を確かめる。

「こんなところで寝入ってしまうと、体調を崩し兼ねません。
休むなら一度寝台でキチンと仮眠を取ってきて下さい!」

険しい表情の李順がきつい口調で忠告してきた。

先程の夢の中で味わった優しさが恋しくなる。
「……きついなお前の言い方は……。」

何気なく目線を下に向けると、辺りに散乱する書類が目に入った。
どうやら読みかけの書類を落としてしまったらしい。
それを丁寧に拾い上げながら、李順がぶつぶつと小言を言う。
「……食べ物を食べながら寝るだなんて、無作法にも程がありますよ!」

そういえば。

長椅子の側の卓上に、小さな菓子が幾つか置いてある。


そうだ……。
この菓子の餡の甘さ……夕鈴のお饅頭の餡と少し似てると思ったんだっけ……。

そして、政務漬けだった疲れからか、つい居眠りをしてあんな夢を……?

「あー、何だか……。
もう少し寝ていたかったのにな……。」
「?では一度自室に戻られますか?
今から一刻程度ならお休みされても問題は御座いませんよ?」
李順は書類を拾い終わり、それを黎翔に差し出した。
「……いいや。」
そう言いながら書類を受け取り、机に移動する。



またあの饅頭屋に行く為、暫くは仕事を頑張って片付けなくては。

そう思い椅子に腰掛けると、ふと例の茶菓子が目にとまった。


ふわりと頭に浮かぶあの夢……。

……ああ、甘かったなぁ。




とりあえず。



「李順。」
「何でしょう?」

「とりあえず、許さないから。」


「え……?
……はぁあ!!?」




驚く側近の声が、執務室に響いた。


│posted at 18:27:05│ コメント 0件
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