2015.12.19(土)

小犬陛下と饅頭屋 4-2

ー数日後ー


黎翔は妃への寵愛を見せ付ける一環で、臨時妃を伴い飾職人や宝石商などの商人達の謁見をする事になった。

先日下町で見た品も細工は中々良かったが、矢張り王宮お抱えの商人達の持って来るものは格が違う。
どれも様々な宝石がはめ込まれており、豪奢な造りの品ばかりだ。

趙 麗華は輝く宝飾品に有頂天になり、彼方も…此方も…と次々と手に取っては、コレは似合いますでしょうかと黎翔に尋ねる。
何時もなら苛立ちを堪えて相手をする黎翔だが、この日は違った。

「それも良いが、此方は…?」
などと、嬉し気に趙 麗華に合わせ演技をしている。
周りから見れば、楽しそうに簪や首飾りを選ぶ最愛の妃を愛おしげに見つめる狼陛下。
噂通りの寵愛ぶりだと商人達の中でも噂になるだろう。
黎翔の演技に李順も大満足の様だ。

熱心に臨時妃を見つめる黎翔。

それには理由がある。



成る程、女性はキラキラしてるもの程喜ぶものなのだな。

小振りな物よりは大きめの物か。

より豪華な方を選ぶ、と。



黎翔は臨時妃の反応を見ながら、ここぞとばかりに女性が好むモノ情報を集めていた。

三人目の飾職人が品物を並べた時、黎翔は徐にある髪飾りを手に取り、それを寵妃の髪に当てた。
そして、今まで李順すら見た事のない様な柔らかな笑みを浮かべた。

それは其処にいる全ての者を魅了する程の穏やかで美しい微笑み。


うん、この髪飾りなら大きさはそこそこだけど、キラキラしてて、豪華だ。造りも良い。
それに夕鈴の髪の色は臨時妃より明るいから、きっとこの髪飾りが良く似合うだろう。
…コレにしよう。


黎翔がそんな事を考えているなど知らない臨時妃は、その微笑みに心をときめかせながら、うっとりと魅入っていた……。
│posted at 21:58:02│ コメント 0件
≫コメント 
≫コメントを書く







 削除や編集のときに必要です。
管理者にだけ表示を許可します。
プロフィール

えぐち

Author:えぐち
江口(。-_-。)と申します。
場合によって、漢字のみだったりひらがなだったり。
どうぞよろしくお願い致します。

当ブログは、原作・原作者様・出版社様とは一切関係がありません。
初めましての方は、『はじめに』をご覧下さい。

 
訪問者数