2015.12.19(土)

小犬陛下と饅頭屋 4-5

「陛下?……どうかされましたか?」

「いや、何でもない。…取り敢えず交渉は続けておけ。
第一候補者だったならきっと良い働きをしてくれるだろうからな。」

「……畏まりました。
それでは陛下。報告は以上ですので、私は本日これにて失礼致します。」

「ああ、明日もよろしくね。」


ゆっくりと政務室の扉が閉まるのを見届ける。
そして、足音が遠ざかった所で急いで書類に目を通す。



汀 夕鈴 17歳

・章安区に下級役人の父と弟と三人暮らし
・健康面良好
・菓子屋と食事処のバイト有り
・性格は真面目で明るく、幼い頃に母を亡くし弟の世話をして来たからか、面倒見が良い
・仕事振りは素晴らしく、堅実で勤勉


……これは、やっぱりあの『夕鈴』かも。
章安区はあの店からかなり近くにある区だ。
明るい性格。掛け持ちの仕事。勤勉な所も。


あの娘が臨時妃の第一候補者かもしれないなんて……。


もし夕鈴が臨時妃として来てくれたら、くるくると変わって面白い彼女の表情を余すところなく見られるのだろうか。


妃衣装を身に纏った夕鈴の姿が目に浮かぶ。




『陛下!』



あの明るい笑顔で自分を呼ぶ夕鈴。



『これを…私に?』

『……嬉しいです!』



自分が選んだ簪を手に取り、頬を染めながらそれは嬉しそうに微笑む夕鈴。





「……夕鈴。」
│posted at 22:20:00│ コメント 0件
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