2015.12.24(木)

小犬陛下と饅頭屋 5-7

「あ…あの。」
夕鈴は何とか声を絞り出す。
「夕鈴……もしかして気に入らなかった??」
ハッとして李翔を見ると、また先程の様に眉を下げ悲しそうにこちらの様子を伺う小犬がそこに居る。

慌ててブンブンと顔を横に振った。

「いえ!!あの……とっても素敵なものだと思うんですが……。
こんな……高価過ぎる物は贅沢…と言うか…気後れするというか…。」

「いや、そこまで高い物ではないから。」
気に入らなかった訳ではないと分かり、また微笑みが戻った李翔の顔を見て、夕鈴も少し気持ちが落ち着いて来た。
「あ、そうなんですか?
じゃあ……もしかして…試作とかイミテーションみたいなものですか?」

「いや、全部本物だよ。安心して?」

にっこりと微笑む李翔。
そして先程よりも動揺する夕鈴。


あ……安心できるかーーッ!!

夕鈴は心の中で叫んだ。


しかも…こんなにキラキラピカピカした宝石沢山の品を高い物ではないって何??

もしかして……超絶金持ちなのかしら。
……うーん、そうね。
前も昼間にふらっと来たし、今日も朝からこんなところにいてしかも急いでいる程ではないし。普通の人では無いわね!
女性の扱いにも手馴れてるというかスキンシップが多いというか……。

はっ!分かった!!

好き勝手遊んで暮らせる程のお金持ち貴族か何かの息子ね……?!
とんだお坊ちゃんだわ……。
これはちゃんと普通の感覚ってものを教えてあげないと!


夕鈴はすっかり世話焼きおばちゃんの心境になった。


「あの、ですね?李翔さん。貴方がお金持ちって事は分かりました!
でも、いくら御家にお金や財産があっても贅沢し過ぎてはダメよ?
特に、無駄な事にお金を使うなんて…絶対にしてはいけないわ!」

突然真剣にお金の事を諭してきた夕鈴に、今度は李翔が困惑する。


ん?何で急にそんな話に…??
……しかし、まあ、今自由に出来る財産なんて他の国と比べれば無いに等しいよなぁ。

……言って見れば、今の白陽国は財政難だ。


「あはは、僕の家はむしろ財政難かな〜。
無駄遣いする余裕はないから……無駄な事には使ってないよ?」


な……??財政難……???

│posted at 15:08:35│ コメント 0件
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