2015.12.24(木)

小犬陛下と饅頭屋 5-8


「そんな……。」
「ん?」

「そんな余裕が無いのにこんな無駄な買い物するなーーーッ!!!」

ヘラヘラと軽く家は財政難だと言う李翔に我慢出来ず夕鈴が叫んだ……!!!

その迫力に李翔も蒼白になる。

「えええーーーッ!?
いや、これは必要な買い物だし……。」
「どこがですかッ!」
ダンッ!!!
夕鈴は拳で机を叩いた!
「ッ!!」
「いいですか、李翔さん!!
必要な買い物って言うのは〜〜〜………」

以後、夕鈴の説教が長々と続く。

時には強く、時には優しく語りかける夕鈴 。
そしてそれにはい…はい…と頷く李翔。

しばらくそうしていたが、ひたすら倹約の素晴らしさを力説する夕鈴に恐る恐る李翔が一言呟いた。

「ところで夕鈴、お饅頭は……?」

「あ!!いけないッ!」


慌てて蒸し器を確かめに走った。

説教に夢中で商品をダメにするところだったが、蒸し器の中を確認すると丁度良い蒸しあがり時だった。
ホッと胸を撫で下ろし、蒸し器を釜戸から降ろした。

「大丈夫だった?」
「はい!!
……あー、つい偉そうに夢中で話してしまってごめんなさい……。教えてくれてありがとうございます!」

「いや、いいんだよ。」

「それで……李翔さん、私その簪はやっぱり受け取れません……。
その代わりまたお店にお饅頭を買いに来て下さい!
その方が私は嬉しいです……。」
「そうか。」

流石に、あれ程熱心に倹約について語る夕鈴にこの簪を無理に贈る事は出来ない。

李翔も素直に引き下がるしかなかった。

……どうやら、色々と間違えた様だ……。

どうしようかと思案しながら視線を落とすと、先程夕鈴が新しく淹れなおしてくれたお茶が目に入った。

「……じゃあ、今度一緒に湯呑みを買いに行ってくれる?
……どういった物が良いのかよく分からないし……。」

……そうね。
李翔さんの金銭感覚って狂いまくってるみたいだし、これは普通の買物の仕方を教えるのに丁度良い機会かもしれないわね!
……金色キラッキラな湯呑みを買ってこられても困るし。

「ええ、分かりました。
じゃあ、今度一緒に行きましょうね!…約束ですよ?」

すんなりと貰えたお誘いの返事。
李翔は思わず照れながらこくりと頷いた。

│posted at 15:09:52│ コメント 0件
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