2016.01.15(金)

陛下、散策を楽しまれる。

【二次創作SS】【黎翔×夕鈴】【臨時妃期】

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「陛下!」

振り向きながら見せるその優しげな微笑みに、何度暖かく幸福な気持ちになっただろうか。

「なぁに?夕鈴。」

自分でも驚くほど甘い声。思わず自笑してしまう。

「ここです!この樹の中程に、ほら!」
若葉が茂る大きな樹の前まで駆け寄って、上を指差した。
「前にお話しした小鳥の巣が…。」
瞳は何時もより明るく輝いて、ほんのりと頬が桃色に色付いている。
「あそこです。見えました?」
嬉し気に目を細めて鳥の巣がある枝を見つめつつ、散策の目的である巣の場所を僕に教えてくれる。

ーーああ、どんな仕草も愛らしい。

「もう雛が孵ったみたいですよ。
わあぁ、可愛い声が聞こえーっぇえ?っきゃあっ!?」
無意識のうちに…はしゃぐ夕鈴の肩に手を伸ばしていた。
ついでに、そのまま後ろからそっと抱き締めてみる。
「うん、可愛いね。でも夕鈴の声の方が可愛いと思うけど?」
「なぁっ…!」
耳元で囁くと、首筋まで赤くなった夕鈴がわなわなと身体を震わせている。
柔らかな抱き心地と恥ずかしがるその様を思う存分楽しみたい所だが、やり過ぎると後が大変だ。
すぐに手を離し話題を変えてみた。
「ああ、親鳥が餌を持って来たみたいだ。」
「えっ!どこですか?」
ほら、来たよ。鳥のいる方向を教えてあげながらそっと夕鈴の顔を覗き見ると、もう楽し気な表情に戻っていた。
親鳥から餌を貰う為、ちらちらと雛の顔が覗く。
その度に、あの子は凄く食いしん坊ですね、あの子は身体が少し小さいのかな何だか心配です、あれ?4匹かと思いましたが奥にもう1匹いるみたいですね、と僕に次々と話しかけてくる。

ーーそんな君が愛しくて堪らない。

「ああ、本当、可愛いね…。見ているだけでも癒されるよ。」
「そうでしょう?陛下に楽しんで貰えて嬉しいです!」
気合いを入れる様に胸前でグッと拳を握り締めながら、満面の笑みを見せる。大満足の様だ。

ーー夕鈴と僕で、思い浮かべているモノは違うんだけど。

「うん、とても気に入ったよ。ありがとう夕鈴。」
柔らかな陽射しを受け、きらきらと輝く金茶色の髪を一房掬い、そっと唇を寄せた。
瞬時に頬が紅く染まり、夕鈴の身体がビシッと音が鳴りそうな程に強張る。
しかし、遠巻きに此方を伺う侍女達に気が付き、逃げ出すのは止めた様だ。
「そぉ!それ、は!っ宜しゅう…」
「ござい…ました…。」が、真っ赤になった顔を隠している扇子越しに、ボソボソと聞こえた。
その様子に思わず笑うと、夕鈴はちょっと拗ねた様な顔をして…、でもまた直ぐに笑顔になる。
「さぁ、そろそろ親鳥がまた帰ってくるんじゃないかな?」

暫く2人で笑い合いながら小鳥達を眺めた。


今日も君の側で、君の笑顔を見られた事に、喜びを感じながら。



ーードス黒いオーラを纏った李順が呪詛の様に小言を呟きつつ休憩の終わりを告げに来るまでーー
│posted at 19:47:32│ コメント 0件
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